当院に来院される方のほとんどが上記のうちのひとつに該当しているようです。
1つめの結膜炎では点眼していればまず1週間位でよくなることが多いので、点眼を中止すれば症状が悪化すると言う場合は鼻涙管閉塞が疑われます。
2つめのマッサージは自然治癒を期待するものですが、即効性があるわけではありません。しかし自然治癒率は生後12か月までで9割以上という報告が多く、まずは自然治癒を期待することが推奨されています。
当院ではまずきちんと鼻涙管閉塞であるか診断したところで、マッサージによる治療を試みます。マッサージは保護者の方が赤ちゃんの目がしらを圧迫することにより鼻涙管の閉塞が自然に開放されることを期待するものです。生後6~12か月位までは全員の方に試していただいています。
生後6か月を過ぎますと涙の分泌が増えてきますので、めやにやなみだ目の症状が悪化してくることが多いです。そのままマッサージを続け様子を見るか、ブジーという針金を通す治療に移るかご相談の上選択していただきます。針金ということで心配される方のために、ご両親が納得できるまで説明いたします。
当院では自然治癒しない場合は、生後12か月頃までにはブジーをお勧めしております。
稀に鼻涙管の先天的な変形などによりブジーで治癒しない場合がありますが、その場合は責任をもって高次医療機関にご紹介いたしております。
成人が対象の病院では、マッサージで自然治癒せずブジーまで必要となる場合は年に1,2件あるかどうかの比較的まれな疾患です。小児眼科専門の医師がいない施設では他院へ紹介されることが多い疾患です。